自宅で着物を洗おう!手洗いや洗濯機で洗える着物の見分け方とコツ

公開日:2023/10/15  最終更新日:2023/09/29


着物は日本の美しい伝統文化の象徴ですが、その美しさを保つためには適切なお手入れが必要です。では、自宅で着物を洗うことは可能なのでしょうか?この記事では、自宅で洗える着物の種類と、それを洗う際の注意点、さらに着物の汚れを落とす方法と洗濯の仕方を詳しく解説します。自宅で着物のお手入れに挑戦する際の参考にしてください。

自宅で着物を洗える?自宅で洗える着物の種類とは?

着物は、その美しさを保つために適切なお手入れが必要ですが、素材によっては自宅での洗濯が可能です。しかし、失敗すれば逆に着物を傷める可能性があるため、慎重に行う必要があります。

ここでは、自宅で洗濯できる着物の素材について解説します。

着物の主要な素材

着物は主に絹、麻、木綿、ウール、ポリエステルの5つの素材から作られています。これらの素材の特性によって、洗濯の可否が異なります。

・絹

絹の着物は非常にデリケートであり、自宅での洗濯は避けるべきです。クリーニングに出すことをおすすめします。

・麻

麻の着物は基本的には自宅で洗濯可能ですが、いくつかの注意点があります。事前に水通しをしているか、縫い糸に適した素材を使用しているかを確認し、アイロンは使わないようにしましょう。

・木綿

木綿の着物は自宅で洗濯できます。ただし、洗濯機の設定や洗剤の選択に注意が必要です。

・ウール

ウールの着物は自宅での洗濯が難しいため、クリーニングに出すことがおすすめです。

・ポリエステル

ポリエステルの着物は自宅での洗濯が可能です。洗濯機を使う際には、適切な設定を選びましょう。

取り扱い絵表示の重要性

既製品の着物を購入する際、洗濯用の取り扱い絵表示が取り付けられていることがあります。この表示には、洗濯の仕方、漂白の仕方、乾燥の仕方、アイロンのかけかた、クリーニングの種類など、重要な情報が含まれています。

とくに注目すべきは「家庭洗濯」のマークです。このマークがある場合、着物は自宅で洗濯が可能です。洗濯の際には温度や方法に注意し、取り扱い絵表示の記載に従うことが大切です。一方、家庭洗濯ができない着物には家庭洗濯のマークにバツ印が入っています。これらの着物は、専門のクリーニング店にお願いしましょう。

自宅で着物を洗濯する際には、着物の素材と取り扱い絵表示を確認し、適切な方法を選びましょう。

自宅で着物を洗う際の注意点

着物を自宅で洗う際、美しい仕上がりを保つためにはいくつかの注意点があります。

着物を畳んで洗う

洗濯前に着物を畳んでおくと、洗濯中に余計なシワができるのを防げます。また、畳んだ着物は洗濯ネットに入れてから洗うと、繊細な生地を保護できます。

適切な洗剤の選択

洗剤の選択に注意が必要です。お洒落着用の洗剤を使用しましょう。アルカリ性の強い洗剤は避け、色落ちのリスクを最小限に抑えましょう。洗剤の使用量も適切に調整しましょう。

ドライコースで洗濯

洗濯機の設定にも注意が必要です。ドライコースを選択すると、着物を優しく洗うことができます。穏やかな洗浄プロセスが素材を保護し、シワや縮みを防ぎます。

日陰に干す

着物を干す際にも注意が必要です。型崩れを防ぐため、和服用のハンガーにかけて干しましょう。日光に直接当てないよう、風通しの良い日陰に干すことが大切です。直射日光は着物の色ヤケの原因となる可能性があります。

これらの注意点を守れば、自宅で着物を洗濯する際に美しい状態を保つことができます。

着物の汚れを自宅で落とす方法・洗濯の仕方

着物を美しく保つためには、汚れを適切に落とし、慎重な洗濯を行うことが大切です。また、複数の着物を同時に洗わないようにしましょう。異なる色の着物を一緒に洗うと、色落ちや色移りのリスクが高まります。一着ずつ処理することで、色の混合を防ぎましょう。着物を自宅で洗濯する手順を詳しく解説します。

手順1.色落ちテスト

洗濯前に、着物の色落ちを確認するためのテストを行いましょう。中性洗剤の原液を着物の目立たない部分に少量塗布し、5分ほど待ちます。その後、白い布で軽く叩き、色が移らないことを確認します。色落ちが激しい場合、その着物は自宅での洗濯を避け、クリーニング店に依頼しましょう。

手順2.シミ抜き

着物全体を洗う前に、シミ抜きを行いましょう。汚れの種類によって方法が異なります。油性の汚れ(ファンデーション、日焼け止め、口紅、食べこぼしなど)は、クレンジングオイルを使って落とすことができます。水溶性の汚れは中性洗剤を使用し、少量をシミにつけてタオルなどで軽くたたきます。頑固なシミが残る場合は、クリーニングに出すことを考えましょう。

手順3.着物の洗濯

着物を折りたたんで洗濯ネットに入れ、洗濯機で洗濯します。洗濯コースは取り扱い絵表示に記載されているものを選択し、脱水は洗濯機の最も弱いモードで1分程度を目安に行います。

手順4.陰干し

洗濯が終わったら、着物を吊るして陰干ししましょう。和服用のハンガーを使い、シワが伸びる程度に着物を整えます。日光に直接当てないよう、風通しの良い日陰に干しましょう。

手順5.アイロン掛け

着物が乾いたら、アイロンを使って仕上げます。アイロンをかける際には、必ず当て布を使用し、中低温度設定で慎重に行います。また、刺繍や金箔模様のある部分にはアイロンをかけないように注意しましょう。アイロンをかけた後は、熱が冷めるまで着物を吊るし、収納に移す前に冷却させましょう。

まとめ

着物の素材によって自宅での洗濯が適しているものとそうでないものがあります。絹やウールなどデリケートな素材はクリーニングをおすすめし、木綿やポリエステルなどは自宅で洗濯が可能です。自宅で洗濯する際は、一着ずつ、色落ちテストを行い、シミ抜きを適切に行います。洗濯機を使用する際には洗濯ネットを使用し、洗剤も慎重に選びましょう。洗濯後は陰干しし、アイロンをかけて仕上げます。適切な手順を守れば、自宅で着物を美しく洗濯し、長く楽しむことができます。

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