着物の着崩れを食い止める!着るときにできる着崩れ防止の工夫と直し方

公開日:2023/02/15  


着物は反物を直線裁ちで縫い合わせてあります。洋服と違い体のラインに合わせて作られていません。そのため時間が経つと着崩れが起きてしまうのです。しかし、着物の着崩れはきちんとした対処をすると防げることをご存知でしょうか?ここでは着崩れの原因を探り、崩れにくい着方と着崩れの直し方を解説します。永久保存版です。

着物が着崩れしてしまう原因を探ろう

着物が着崩れしてしまう原因はあまり多くはありません。ほとんどの着崩れや乱れは以下の3点に集約されます。

補整がきちんとできていない

補整は着姿の土台、ベースです。タオルやパッドを使って体の凸凹をなくします。適切な補整がされていないと、時間経過や歩く振動によって紐や布がずれてくるのです。背中にも凹凸があり、補整をきちんとしていないと、帯のたれが長く落ちてきます。胸元も凹凸が激しい部分なので、充分な補整がなければ、衿の緩み、乱れの原因となり、衣紋も詰まってしまいます。

腰ひもが緩い

着付けの良し悪しは腰ひもで決まります。しっかりと締めていないと、裾が落ちてしまい、おはしょりもすっきりしません。布がだぶついてしわの原因になります。きつく締めすぎるとあとで苦しくなるので、適度な強さで締めましょう。

不注意、所作が大き過ぎる

歩幅が広いと裾が乱れます。全体的に大きな動作は裾、衿元が崩れる原因です。階段の手すりに袖が入り込み、引っ張られることがあるので、注意しなければなりません。いすの背もたれに深く腰掛けると、帯の形が崩れたり、たれがめくれあがったりします。

着るときにできる着崩れ防止法

着物を着るときにできる着崩れ防止法は、何よりもまず補整です。肌着の上にタオル、補整パッドを重ねます。痩せている人は補整パッドでも不充分な場合があり、タオルを加えて対策をとりましょう。基本の補整は衿元にタオルもしくはパッドを1本、ウェストのくびれをおさえるため腹部に1本、背からお尻にかけてのカーブをおさえるためタオル、補整パッド、腰ぶとんを1本使います。

衿元の補整がきちんとできていれば、衿の崩れはほとんど防止できるのです。腰ひもは一度着物を着て外出してしまうと、もう手直しはできません。外出時の着崩れを防ぐため、しっかりと締めておきましょう。腰ひもを締める位置も重要です。腰骨の上に締めるのが基本ですが、自分の身長に対して丈が長い着物は、腰骨よりも上の位置に腰ひもをあて、おはしょりの長さを調節します。

反対に丈の短い着物は腰骨よりも低い位置に腰ひもをあてましょう。着るときに丈の長さを把握し、適切な位置で腰ひもを締めることで着崩れを防げます。しわやよれのない、幅広の腰ひもを使うとしっかりと締めやすいようです。

着崩れしてしまったときの直し方とは

着崩れは自然に起きるものです。目的地に到着したとき、写真を撮る前などは一旦席を外し、鏡のある場所で着姿を確認し、着崩れがあれば直してください。外出する際は着崩れの直しを習慣づけておくとよいでしょう。

襟元の直し方

襟元の崩れ、緩みは身八つ口から手を入れて長襦袢の衿を撫でるように引きます。右の衿を直すときは左手で、左の衿を直すときは右手を使ってください。衿の緩みを直すと衣紋が詰まることが多いです。衣紋が抜けているかも確認してください。衣紋が詰まっているときは長襦袢の後身頃だけを引きます。次に着物の後身頃、おはしょりの下部分を引くと衣紋がきれいに抜けるでしょう。

裾の直し方

全身を確認して裾が下がっていたときは、おはしょりの中で余分な長さを入れ込みます。前で入れ込んだ長さを感覚で覚えておき、後ろのおはしょりも同様に入れ込んでください。逆に裾が短すぎたときはおはしょりではなく、腰ひもから下の部分を引きます。

おはしょりの直し方

丈の長い着物は鏡で見るとおはしょりが長くなっている場合があります。おはしょりの表部分を帯に入れ込み、長さを調節しましょう。帯をお太鼓に結んでいるときは、後ろのおはしょりが帯のたれよりも短い方が望ましいです。

帯の直し方

帯が緩んできたときは小さめのタオルを、帯の中に入れます。帯下に手を入れて空間があるな、と思った部分に入れるとよいでしょう。帯締めを締め直すのも効果的です。しっかりと締め直すと、帯にしわが出るので、脇に寄せてしわを処理します。帯回りのサイズは時間によって変化するものです。

食前、食後のサイズ変化を考えて締めてください。外出前に帯の中に小さめのタオルを入れておくと、補整になります。食後に苦しくなったらタオルを抜いてください。お子さんが急に周囲を汚したときなども、サッとタオルを取り出して対応できるので重宝します。

まとめ

着物を着るときに着崩れはつきものですが、しっかりと対策をとっておけばほとんど防げます。着崩れの種類としては、衿が緩む、裾が下がる、帯が崩れるなどがあげられます。着物を着るときに補整をきちんとしておき、腰ひもをしっかり締めると後々の着崩れを防げるでしょう。外出時は化粧室で着姿のチェックを習慣化してください。裾やおはしょりの長さは化粧室で引くと、調整できます。帯が緩んだときは小さめのタオルを用意しておき、帯の中に入れましょう。

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