着付け教室が着物の販売会を開催する理由とは?参加時の注意点を解説

公開日:2023/05/15  最終更新日:2023/04/24

着付けを習いたいけれど、教室に行くと着物や帯を買わされないか不安…無料やワンコインの安い教室もあるけれど、実は着物を買わされるのでは?と疑問に思っている方もいるでしょう。そこで本記事では、こうした不安のある方に向けて、着付け教室が着物の販売会を開催する理由や参加する際の注意点について解説します。

着付け教室が着物の販売会を開催する理由

着付けを教えるはずの着付け教室が、どうして着物の販売会を開催するのでしょうか。それには着付け教室の仕組みが関わっています。

着付け教室の目的とは?

そもそも着付け教室は、着付けを学ぶために通う教室です。着付けを学びたい方にとっては、費用が安いに越したことはありません。しかし、実際には場所代や講師の人件費、広告宣伝費、レンタルする着物のメンテナンス費用などがかかります。

着付けを教えて着物文化を広めたい!という目的は美しくありますが、実際にはただ教えるだけでは赤字になってしまいます。着付け教室を開催することで利益が見込めるから行っているのです。

どのように利益が出ているか?

資格の認定や免状、コースの昇級、団体への入会費などで追加の費用を請求する教室もありますが、手っ取り早く利益が出るのが着物や帯の販売です。着物1枚や帯1本で何十万円、何百万円というのも珍しくない話。

しかも本当はわずかなシミなどでB級品扱い、格安で仕入れられた商品であっても、素人の目にはほとんど分かりません。着付け教室1コースあたりひとりでも着物を購入すれば、元が取れるような仕組みになっているのです。

持ち込みOK、レンタルありでも安心できない理由

もちろん自前の着物で参加できる教室もあります。しかし中には、持ち込んだ着物が「古い」「ダサい」などとケチをつける教室もあるようです。また、1回ごとにレンタル料がかかる教室では、「何回もレンタルするより買ったほうがお得ですよ」と誘われることもあります。

何度もいわれると雰囲気に流されそうになるかも知れませんが、即答せずに冷静に考える時間をもったり、誰かに相談したりしましょう

着付け教室の販売会に参加する際に
注意するべきポイント

断りきれず、販売会に参加する流れになってしまった。また、着物を購入したいという前向きな気持ちで参加する場合に注意するべきポイントについて解説します。

押し売りがないか事前に確認する

販売会の主催団体に、無理な押し売りがないか事前に問い合わせておきましょう。もちろん、「無理な販売はいたしません」と当然いわれることでしょう。しかし、予防線を張っておくことは大切です。また、口コミやQ&Aを調べておくのも有効でしょう。

買うものや予算を決めておく

「見るだけでいいから」というのは販売会に誘われるよくあるセリフです。たいていは見るだけでは終わりません。買うか、買わないか。買いたいのであれば、何を、いくらの予算で、使う場面はこう、と具体的に決めておくことが大切です。

断り方を決めておく

買うつもりがない、気に入るものがなくて断りたいとき、「ちょっと高いので」「あまり着ないので」「似合わないので」などといったフレーズは逆効果です。ローンの案内や家族に受け継いでいける話、とてもお似合いですよ!など店員は受け答えのマニュアルを用意しています。

「いいです」「大丈夫です」「考えておきます」もあいまいな答え方です。一番よいのは「買うつもりはありません」とはっきりいうこと。「好みではありません」というのも、商品の良し悪しと関係ないのがポイントで、相手に付け入るすきを与えません。

押し売りをする相手に気をつかう必要はない

買うつもりのない商品の押し売りは犯罪です。そうした相手に自分をよく見せたり、気をつかったりする必要はありません。愛想笑いやあいまいな返答だと相手はどんどん食い下がってきます。

何をいわれても淡々と表情なく「買うつもりはありません」と目を見て繰り返しましょう。

それでも断る自信のない方は

断り方を準備していても、その場になったら断る自信がない、付き合いもあって流されてしまいそう、と心配な方には、ふたつの方法があります。

ひとつは、「逃げる」ことです。体調不良のふりをして帰る、電話がかかってきたふりで会場を去る、などです。繰り返しますが、気をつかう必要はないのです。

もうひとつは、「証拠を残す」ことです。スマホの録音・録画機能やボイスレコーダーなどで押し売りの証拠を残しましょう。解約や相談の際に証拠の有無はとても重要で、必ず力になってくれます。

着物を「買わされない」着付け教室の選び方のポイント

着物を買う予定のない方が、「買わされない」着付け教室を選ぶにはどんなポイントに気を付けて選べばよいのでしょうか。

押し売りしないと明記されているか

多くの着付け教室では、Webサイトやパンフレットを用意しています。教室のポリシーやQ&Aを確かめ、無理な販売・押し売りをしないと明記されている場所を選びましょう。また教室に入会する際の契約書や申込書、同意書なども充分に読み込んでから署名しましょう。

授業内容に販売会が含まれていないか

着付け教室は「〇回コース」などと回数が決まっています。教室を選ぶ際に、授業の1回1回何を学ぶのか、内容を具体的に確認しておきましょう。希望者ではなく全員が、研修という名の販売会や展示会に参加する授業が含まれていれば、着物の販売が目的となっている可能性があります。

受講料が明記されているか

受講料や入学金のほか、レンタルが可能な場合はレンタルにかかる費用、小物のみ購入であればその費用、など修了までにかかる費用が明記されている場所を選びましょう。試験や認定料などが追加されることもあります。

もし断り切れずに購入してしまったら

販売会や展示会に参加すると、複数の店員に長時間囲まれたり、一緒に参加している受講者が購入したために買わざるを得なくなったりすることがあります。きっぱり断るのがベストではありますが、もし断り切れずに望まない契約を結んでしまった場合には、自治体の消費生活センターに相談しましょう

次々に誘われないようにするのと同時に、同じような被害者が出るのを防ぐことができます。

まとめ

本記事では、着付け教室が着物の販売会を開催する理由と、参加時の注意点について解説しました。いろいろな色柄の着物は見ているだけでも楽しめますし、一度手に入れれば一生ものです。しかし、無理に買わされてはせっかくの着物も楽しめません。着付けを学びたいのに、着物を買わされるか心配で教室に行けない、というのはもったいないことです。この記事を参考に、ぜひ安心して通える着付け教室を選んでください。

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