着付けに関する民間資格はどんなものがある?代表的な資格をご紹介

公開日:2022/05/15   最終更新日:2022/06/06


現代では、着物を着る機会というのは、そう多くない方がほとんどでしょう。だからこそ、人生の節目に着るものというイメージを持つ方も少なくありません。そんな節目を飾る着物を、人に着付けてあげることができるのは素敵なこと。今回は、着付けをすることを人に伝えることができる代表的な民間資格を紹介します。

着物免許

着物免許とは、文部科学省認可「財団法人民族衣裳文化普及協会」が推薦し、京都きもの芸術文化協会が発行する着付け資格です。レベルに応じて、5級(準師範)、4級(師範)、3級(上級師範)、2級(助教授)、1級(教授)の段階があります。

きもの知識検定

きもの知識検定は、着物に関する価値観が変化した現代社会で、プロフェッショナルな人を対象として実施します。美容サロン、和装販売関連事業、着付け、ブライダル関連、教育関係などの場で必要とされる知識に特化した検定です。着物に関する知識を広げ、合格者には合格証ときものアンバサダーの認定証明バッジが授与されます。

■検定料その他

きもの知識検定の受験料は、1級7,990円。2級5,990円です。受験時間は1級が300分、2級が80分です。出題の形式はすべてマークシートで4者択一方式です。1級になると全部で1000問もあるため、プロフェッショナル向けの資格であることが見てとれます。受験会場は東京、名古屋、大阪に限定されているので、受験をする場合は会場までの交通費や時間も計算してくださいね。

きもの文化検定

きもの知識検定と名前が似ているので間違えやすい資格に、きもの文化検定があります。こちらもきもの知識検定同様に、着物に関する歴史やさまざまな作法などを5級、4級、3級、2級、1級でランク付けした検定です。

この資格は、着物にかかわる仕事をしていなくても受けることができます。1級合格はほぼプロと同じぐらいの知識を身に着けている証拠になります。飛び級はできず、ひとつひとつ受験していく必要がある点が特徴です。合格すると「きもの文化検定合格者特典協力店・施設」のステッカーが貼ってある店舗で、各々の特典が利用できます。着物や帯、小物を安く購入したり、着崩れた場合に直しの場所を提供してもらったりすることができます。着物が好きな人にとってありがたい特典ですね。

■きもの文化検定の受験料

きもの文化検定は受験する級によって検定料が異なります。5級と4級は4,800円、3級は5,800円です。ちなみに5級と4級は併願が可能です。3級と併願する場合は、1万600円となります。2級になると受験料も8,800円とぐっと上がります。そして1級は9,800円。1級は検定の普及を進めるため、もし不合格でも次に受験をする時リピート割(3,000円引き)が使えます。5級と4級は受験しやすいように平日の夕方からの時間も設けています。その他にも受験しやすい各種制度を設けているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

きもの講師

きもの講師は日本和装教育協会という団体が認定している資格です。民間資格ですが、履歴書にも書ける正式な資格なので、キャリアアップにつながります。初心者から始めても短期間で取得しやすいのがメリットです。

■きもの講師の種類は?

ゆかたや紬などの着付けの簡単なものを自装できるようになる3級から始まり、和装構成やプロポーション理論まで学ぶ1級まで、4つに分かれています。美容師として取っておきたいのは、他装を学ぶ2級以上。2級では振袖を他装できるようになりますが、礼装の着付けを学ぶのは准1級となるので、さらなるキャリアアップを目指すなら准1級までがんばってみてもよいかもしれません。なお、3級から准1級までの資格は、順調にいけば1年で取得可能です。1回のレッスンが120分と少し長めなのですが、短期集中型の人にはぴったりといえるでしょう。

■きもの講師になるまでの授業料

きもの講師になるための授業料は、1年間で21万6,400円。月額1万9,800円で習い事としては少し高めの金額ですね。この金額の中には授業の中で使う着物や帯、小物のレンタル料も含まれます。自分で用意するよりもずっと安く、道具がなくても気軽に始めることができるのが大きな魅力です。仕事にしようと考えている人にとっては、習っている期間に少しずつ道具を集めていけるのが魅力といえるでしょう。

着付け師

着付け師は、人に着物を着せる職業です。着物を着る結婚式やお葬式など人生の節目で重要な役割を持っており、肌襦袢から段階をふんで着物を着せて、お客さんを美しく仕上げます。また、仕上がりの美しさだけでなく、長時間着ていても着崩れしない技術が必要とされています。着付け師になるためには、とにかく経験を積むことです。ただ着付けの方法を習うだけでなく、その人個人に合わせた技術が必要となってきます。服飾系の専門学校や着付け教室などで基本技術を学び、着付けの技術を習得した後は、着付け師を募集している美容院や式場、着物店、着物教室などに就職すれば、本格的に着付け師としての仕事を始められます。

最近ではフォトスタジオなどでも募集をしているところが増えてきています。もしくは自身で教室を開いたりフリーランスの着付け師として活動したりするのも、ひとつの方法でしょう。着付け師になるために、具体的な資格は必要ありません。あると信頼度が上がるのは、国家資格でもある着付け技能士です。着物の需要が高まってきている現代では、着付け師はなくてはならない職業の一つになるでしょう。

きものコンサルタント

きものコンサルタントは、着物の専門家として、専門的な知識と技術、そして優れたセンスを持っていることを認定する民間資格です。着物をトータルコーディネートするプロとして、広く活躍できます。資格取得のためには「きものコンサルタント」の認定試験を受ける必要があります。2年以上の実務経験、または220時間以上の着装教室などでの受講期間が必要です。人によって髪の毛の色や肌の色がいろいろなので、その人に合わせたカラーコーディネートやパーソナルカラーの知識などもあるとよいですね。

■着物コンサルタントの受験料

きものコンサルタントの受験料は7,800円です。実技試験では、きものコンサルタントとしての立ち居振る舞いや会話法、演出方法などを問われます。

 

着物に関する資格にはさまざまなものがあります。民間資格は、習う場所によって着付けの方法が違ったり、伝統を重んじた着付けの方法をするところもあれば、道具を使って簡単に着物を日常に取り入れやすく指導するところもあったりとさまざまです。着物を取り扱う資格があると、自分がどんな着付けをできるのかを証明できるので、いろいろな場面で活躍できます。日本の伝統文化である着物は、人生の節目で着ることが多いです。着物に関する資格を取得し、特別な場面を支えてみませんか?

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